ヘッドフォーンアンプ

高音質なヘッドフォーンアンプが安価になっています。回路は真空管やFETなど使用した凝ったものからオペアンプを使用したシンプルなものまでさまざまです。また、乾電池やリチュームイオン電池を使用したポータブルタイプからAC100Vからトランスを使用したしっかりとした電源のものまでいろいろと出回っています。自作することも可能です。

ヘッドフォーンアンプ専用IC

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中でもヘッドフォーンアンプ専用に設計されたTI社のTPA6120A2はネットでも評判が良いICです。SONYの高級ポータブルアンプPHA-2でも使用されているヘッドフォーンアンプICです。デジットからはハイエンド・ステレオヘッドホンアンプキット「HPA_6120」も発売されています。DIYinHKからはDual TPA6120A2のD2 High Fideility Headphone Amplifierが発売されています。TPA6120A2 IC単体はマルツパーツ館で購入できます。回路の構成はいたってシンプルで音いじりすることができないとも言えます。

作製した回路はデータシートにあるリファレンス回路中一番部品点数が少ない「不平衡入力反転回路」です。今回は4CHミキサーのモニター回路として作製したため基盤サイズが限られるので使用部品点数が少ないことはよいことです。接続するヘッドフォーンはRolandのRH300(インピーダンス:40Ω)です。不平衡入力反転回路は1倍ゲインですが入力300mVrmsで十分にRH300を駆動してくれます。

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TPA6120A2は20ピンのSOパッケージですのでDAC ICと同じようにピッチ変換基板を使ってユニバーサル基盤に実装します。(図は28ピンで描いています)20ピンのSOP変換基盤はあまり取り扱っているところがないのですが、共立エレショップのD020変換基板やaitendoのピッチ変換(1.27)[IFB-20P-SOD]が使用できます。またTPA6120A2は結構発熱するのでPowerPADという放熱システムをIC裏面に持っています。専用に基盤を作製するのであれば考慮することができますが、変換基盤を使用したのでPowerPADは放置しています。

温度計でIC表面温度を測ったところ室温24度でIC表面温度が53度ですからとりあえず大丈夫でしょう。あまり温度が上がるようであればヒートシンクをつけましょう。出来上がったヘッドフォーンアンプからはスペックどおりに低ノイズ、低ひずみ、高ダイナミックレンジできれいな音が出てきました。個々の楽器がはっきりと聞き取れるのでモニター用のヘッドフォーンアンプとしては最高最良ではないでしょうか。その分、音楽鑑賞用としては聴き疲れがするという印象がありますが聴き応えのある低音が出てきます。

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真空管ハイブリッドヘッドフォーンアンプ

増幅段に三極真空管を使用し、オペアンプと同じ電圧(真空管にとっては低電圧)で真空管を動作させているヘッドホンアンプです。オペアンプはヘッドホンとのインピーダンス整合のためにボルテージフォロアで使用しているヘッドホーンアンプです。

YAHAと言うハイブリットアンプです。Yet Another Hybrid Ampの頭文字を取ったとのこと。また、YAHAは 6DJ8/ECC88という真空管を低電圧(12V)で動作させています。真空管を駆動させるための電源がいつも苦労しますから(電源トランスや高耐圧電 解コンデンサーなど入手性が悪くなっています)12Vで駆動できるということはすばらしいことです。手持ちの12AU7でも動作するようですからEH社の 12AU7/ECC82とJJ社のECC802Sでチャレンジしてみました。オペアンプのページ紹介しているものが使用できます。今回はNJM5532DDを使用してみました。(気分で交換するかもしれません) 回路は大変シンプルです。単純な3極管増幅回路です。オペアンプの電源のままで動作しますので手軽に作成できます。小型に仕上げたかったためケース内には トランス以外の部品を詰め込みました。私にはラグ板を使った配線ができませんのでユニバーサル基盤を使用しています。電源は12V/1Aの3端子レギュレ タ7812です。平滑コンデンサーには3300uF/50Vを入れています。(秋月で見つけた安物ですが)あとは音に関係しそうな入出力コンデン サー(MKTBとMUSE FX、写真ではFGですが低音がすっきりしなかったのでFXに替えました)、抵抗(DALE-CMF55)はオーディオグレードの物を使用しました。 12V1Aの電源トランスはACアダプタ型の物を持っていたのでそれを使用しました。基板上のスイッチと可変抵抗は真空管のヒータ(6V/12V管)の切 り替えとヒーター電圧の調整用です。これで6DJ8でも12AU7でも使用出来ます。

おきらく真空管 YAHA (Yet Another Headphone Amp) ヘッドホンアンプの製作

おきらく真空管 真空管+IC Hybridヘッドホンアンプ YAHA発展版?

6922使用 ヘッドフォン用 ミニチュアアンプ 12AU7での製作は最後の方にあります。

音はRolandのRH300で聞いていますが、これまた素晴らしいです。自作で最高級アンプは無理と思っていますが、これだけのクオリティーのア ンプが出来るなら捨てた物じゃないなと感じています。オリジナルで使用している6DJ8と同等の軍用仕様管で6922がEHから金足で出ていますのでこれ に交換してみました。またまた、驚きの連続です。「こんなに音が変わるのか。」と思いました。12AU7がホールっぽい音で鳴っていたのでそれに比べて素 直でいい感じです。私ごのみの音が出ています。今ではすっかり6922+NJM5532DDの組み合わせで落ち着いています。 YAHAの記事にもありますが、6DJ8以外の真空管を上手に使うにはプレート電圧とグリッド、プレートのバイアス抵抗を調整する必要がありそうですね。12Vでの動作はきつそうですね。

オペアンプでヘッドフォーンアンプ

オペアンプとはアナログ信号を増幅するための基本ICです。オペアンプを使用すると簡単にオーディオアンプが作成できるという訳です。Google の検索で「オペアンプ オーディオ」で検索をするとお手軽なものから本格的に作成しているものまでいろいろなサイトがヒットしてきます。

私は市販の高級アンプよりすごいアンプを作れるとは考えていませんが、手持ちの少ない部品で手軽に製作できそうな物を見つけてしまいました。オペアンプの反転増幅回路を使用したヘッドホンアンプです。ヘッドホンアンプの製作(2号機)を 参考に作成したアンプです。写真でも分かるようにオペアンプの実験です。オペアンプにはLM833N(オーディオ用)とNJM1458D(汎用)を聞き比 べてみました。LM833Nはオーディオ用ですからそれなりに鳴っています。NJM1458Dはオーディオ用ではありませんが、ネットで調べたらギターの エフェクターに使用している方がいました。今回は手持ちがそれしかなかったので聞き比べてみました。オペアンプが作られた用途など関係なくそれなりに鳴り ます。すごいことです。今度、秋葉原に行ったときにでもオーディオ用で評判の良い低価格なオペアンプを仕入れてきます。(値段しだいですが)と言う訳で 買ってきたオペアンプを聞いてみました。どのオペアンプでもそれなりに鳴っています。オペアンプを知る目的の実験は成功のようです。

  • 購入したオペアンプのリストを作ってみました。
    • オペアンプの評価は様々です。私自身も結構気分や聞く曲によって大きく評価が変わるのが分かります。自作ですから差し替えが簡単に出来るようにして気分でオペアンプを選択するのも悪くないですね。(変なノイズが出なればですが。)

ChuMoyアンプ

ChuMoy氏がデザインした1個のデュアルオペアンプ(2個のシングルオペアンプでも同じ、オリジナルはこちらですね)を使用したヘッドホンアンプが音質が良いと評判になっています。

回路的には非反転増幅回路を使用し、増幅度はおよそ10倍の回路定数です。今回作成した2台を列べてみました。ケースが同じなので区別がつきません。電源スイッチで区別しています。 このアンプの特徴は部品点数が少なく、ケース内で場所を食う大容量の電解コンデンサーもないので(オリジナル版のことですが)ケースへの組み込みが大変楽 でした。使用部品点数が少ないということは部品の品質で音が変わる、組み方(部品配置)で音が変わるということですね。こちらはオリジナルのままの回路で 組んでいます。と言うことはFETを使用しているバーブラウンのオペアンプが有利ですね。カップリングコンデンサーはMKTB、抵抗はDALE-CMF55、電源用の電解コンデンサーはMUSE FXを使用しました。基板上にはシングル/デュアルどちらのオペアンプでも使用できるように8ピンICソケットを3個配置しました。(余分な配線が増える のでノイズが心配でしたが大丈夫でした)オーディオグレードの部品ばかり使用しましたが、一番高い部品が006Pアルカリ電池2個でした。ちなみにこのア ンプの消費電流は12mAです。しかし、ダイソーの006P電池(150円、写真に写っています)では3日で電圧が低下してしまいました。東芝やSONY の電池はもっています。 ケースはオールABSのケースでは誘導ノイズに弱いと思い前面と後面がABS製のアルミケース(タカチ MX2-8-10BB)を使用しました。ケース加工は前面パネルに入力と出力の3.5mmステレオジャック、音量調整VR、電源スイッチの穴あけ作業をし ただけです。基盤はガラスエポキシユニバーサル基盤を使用しました。MX2シリーズは両サイドに基板を差し込めるスリットがありそこを使用してケースに固 定しています。ほんとはもう少し小型のケースがよかったのですが在庫がないとのことでMX2-8-10BBになりました。少し大きめですから計画を変更し て電池(006P)を2個使用で±9Vで動作させています。これで音質と駆動時間の向上が望めます。(質量は増えました(*_*;)

私が参考にさせていただいたページです。

Chu Moy式ヘッドホンアンプと作成のコツ

How to Build the CMoy Pocket Amplifier

丁寧な作成手順の解説 CrossOver

肝心の音ですが、期待通りにと言うのでしょうか。全体に良い音が出てきました。また、オペアンプをいろいろと差し替えて聞いていますが、評価は大変微妙で す。FETで構成されているオペアンプとバイポーラのオペアンプでは違いがはっきりしているのですが、メーカーや型番が異なる程度では違いはあるものの私 の耳でははっきりと違いを聞き取れません。その時の気分で好き嫌いが出てしまいそうです。FET構成のバーブラウン OPA2134PAは音の切れがいいというのでしょうか、さすがに違う音がします。しかし、OPA2134PAよりも値段の張るOPA2604PAはイマ イチに思えます。(ダイソウの電池のせいで電圧が低下していました。交換したら良い音です。)値段が高いのだからと期待しすぎでしょうか。(ではなく、高 いだけのことはあります。)オリジナル版のChuMoyア ンプにはOPA2604PAとOPA2134PAに決定です。(最終的には気分です。)FET入力のオペアンプならということで秋月でJFET入力のNS LF412を売っていたので交換してみました。オーディオ用ではないので仕方ないのですが、音が痩せているような気がします。

OPA2604PAがいい音で鳴らなかった原因が電源だったので電源回路を少し見直してみようと思います。いい音の源泉は電源からですね。

ChuMoyアンプ、その2

自作ヘッドフォンアンプ 〜ChuMoy Amp2〜 こちらのサイトを参考にバイポーラ オペアンプ(NJM5532DDやNJM2114DD)でもいい音で鳴らすことが出来るヘッドホンアンプが紹介されていたのでこれも作りました。

特徴は写真でもよく分かると思いますが、巨大なカップリング用無極性電解コンデンサー(MUSE ES)です。オーディオグレードの抵抗をアキバで探していたのですがDALE-CMF55は製造が終わっているため一部の抵抗が品切れになっていた物があ ります。代わりに音響用の金属皮膜抵抗を使用しています。DALEやXiconが好きなのですが半端な値はさすがに欠品が目立ちます。オペアンプは期待ど おりにバイポーラタイプで音が出ているようです。NJM2114DDやNJM5532DD、LM6172INが期待以上によく鳴っているような気がしま す。MUSEのエージングが終わっていないのでまた変わるかもしれません。容量の大きなカップリングコンデンサーのせいでしょうかオリジナルChuMoy回路より多少低音が前に出ていて、高域が丸い感じがします。出てくる音的にはNJM5532DDとLM6172INの音が気に入っています。

ちなみにどちらのヘッドホーンアンプも周波数特性は20〜20KHzがフラットです。本格的な測定装置がないのでこの位にしておきます。出る音は測定器では測れませんから気長に聴き比べるしかないでしょう。

ChuMoyアンプの小型軽量化、電源の安定化

小型化する(006P電池1個で動作させる)には電源を安定させる必要がありそうです。ねこざき電子お手製のヘッドホンアンプで採用している高精度カレントミラー分圧電源回路が安定した±電源のようなので小型化に伴い採用してみました。もともと本家ChuMoyア ンプ回路は9Vでの駆動ですからあまり電源を気にする必要はないのでしょうが、抵抗分圧では分圧バランスに問題がありそうな記述が目立つためトランジス ターを8個も使用する高精度カレントミラー分圧電源回路ですが採用しました。消費電流は10.7mAでした。分圧がきちんと出来ているためか OPA2604PAでもきちんと動作していますが、電圧低下の影響が早くやはり9V電源では無理があるようです。±2.5Vまで動作可能な OPA2134PAを採用しました。小型化の要はケースですが、タカチのMX2-8-7BBが見つかりましたので前の物より30mm長さが短くなりまし た。全体の体積が3割減ったのでけっこう小さくなった気がします。(質量は145gになりました。)小型(9V)版は基板サイズも5mmほど小さくなって います。基盤の半分を高精度カレントミラー分圧電源回路に取られていますので窮屈な感じがします。通勤時に使用する目的(電車の中では低音域が不足するた め)で作成した関係でコンデンサーは少し大きめ(0.47uF)のMUSE BPにしてあります。

下からA47、バイポーラ版ChuMoy、そして、一番上が小型(9V)版ChuMoyです。

A47ヘッドホンアンプ

ChuMoyアンプよりいい音がすると評判のA47(Apheared's 47 Amplifier)アンプも作ってみました。

お手製のヘッドホンアンプのページでもA47回路と高精度カレントミラー分圧でヘッドホンアンプを作成されています。ChuMoyアンプと同じ非反転増幅回路にボルテージフォロアのバッファーを加えた変則的なオペアンプ2段の構成です。デュアルオペアンプを2個使用しますので組み合わせによって出てくる音を好みに合わせることが出来ます。

最初に作ったChuMoyア ンプには十分スペースがあるので今回はこれを組み直しました。(て言うことは、上の写真しか残っていない(*_*;)オペアンプは前段、後段で別ける形で 作成しました。電源回路は抵抗分圧ではなくカレントミラー分圧回路です。使用したオペアンプには前段にNSの最新オペアンプLM4562NA、後段に JRCのNJM2114DDという組み合わせをしてみました。LM4562NAはネットの評価は「素直」「くせのない」「低歪み」また、「無味上等」など と評されています。後段のNJM2114DDが粗削りさなどを加えたらおもしろい構成になるかななどと考えた組み合わせです。 出てきた音は楽器の粒立ちの良いいい音です。ネットで評価されているように気になるようなくせはありません。また、後段のNJM2114DDに期待してい たのですがあまり音には貢献しているようには感じません。しかし、後段のバッファーのせいでしょうか力強く音が出ている気がします。(ほとんど思い込みで しょう。)

オペアンプを2段以上使用したアンプがあります。A47も変則的ですが2段構成です。A47の消費電流は21.5mAでした。電力消費を気にしなければ2 段構成の方がいい音がすると思います。私の場合、9V電池2個までのポータブル駆動を前提で作成してますのでオペアンプ2段構成では駆動時間が短くなって しまいます。ChuMoyアンプの2倍ですね。駆動時間は単純に半分です。アルカリ006P電池が約500mAhです。最近見つけたリチウムイオンの006P電池で400mAhですからあるていどの時間は駆動できるはずです。作ってみなければわからない部分もあるのでチャレンジしてみるのも悪くはありません。今度はMeier氏のCORDAアンプでもチャレンジしてみましょうか。CORDAアンプはバイアスを掛けているのでもう少し電流を消費しているかもしれません。作るならもちろんCrossfeedも付けてですね。

Crossfeed :音場補正

ヘッドホーンを使用しているにもかかわらずスピーカーで聞いているのと同じ音場に近い状態に補正する仕組みがCrossfeedです。 Crossfeedはハード的にアンプなどに組み込んだり、変換ソフトを使用して音源を補正したりして楽しむことが出来ます。音源作成の際にWAVファイ ルから音源を変換するPC用のソフトウエア「音楽をヘッドホンで聴こう!」などがあります。今回は抵抗とコンデンサーで作ったCrossfeedネットワーク回路(回路図)をChuMoyアンプの入力に接続してみました。Crossfeedの原理、回路設計についての詳細はMeier氏のホームページ(ドイツの方ですがホームページは英語です)にじっくり解説されているのでそちらを参考にしてください。

今回作成した回路定数はMeier氏がCrossfeedの原理を 解説している基本回路です。フィード量は一番少ないと思います。もともとCrossfeedの効果はちょっと聞いてもわかりません。じっくり聞き込んでこ れかなと思い当たるくらいです。しかし、ヘッドホンで音楽を聞いていると左右両方から出るセンター位置の音が左右にふらついて録音されていると独特な揺れ (頭の中で揺れているような感じ)になってしまいます。このような症状は緩和されて聞き安くなっているようです。長く聞き込んでくると病みつきになる音場 です。(私の耳は結構いい加減デスから慣れてしまっているかもしれません。)